月のものが愛しく思える時

若い時は
生理が来ることが
億劫だった

それは女性の誰もが
経験してきたことであると思う

プールの日
温泉旅行の日
彼氏とデートの日
修学旅行や合宿

大事なイベントと
生理が重なることは
残念だと思うことすらあった

しかし歳を重ねて
毎月女性の身体に起きている変化が
いかに生命活動を維持するにあたり
大切なものであるかを
感じさせられるのである

今の私は
生理が起こることが
いかに価値のあることなのかを
痛感しながら生きているのである

女性が子どもを授かるように
できている奇跡

この準備のために
生理は起こるのだ

人生で子どもを持てる機会は
限られている

ある時期
ストレスからか
生理が来なくなった時期があった

その時ほど
恐怖を感じたことはなかった

私の身体はどうなるのだろうかと
ただひたすら
身体が反応してくれるのを
待つしかないのが
もどかしかった

身体のホルモンバランスが取れ
毎月来るようになった途端
月のものがやってくることに
喜びすら感じるようになるのである

不思議なことではあるが
時間というものが
人の考え方や
価値をここまで
変えてしまうこともあるのだと
改めて思うのだ

私はきっと
いつかこれをテーマに
作品を書くだろう

これほど強く
自分が女性であることを
自覚した経験は
他にない、からである

人生の価値観や生き方は
どこでどう変わるのか
本当にわからないものである

些細なできごとが
人生を変えていく
可能性を
改めて学んだ経験でもあった

La Carrière -Mariko