働くこととキャリア

コトラーは消費者の購買行動をベースに
マーケティングの段階を理論化してきたが
(拙著記事、買い物とキャリアをご参考ください)
私は
同じことが
雇用関係にも当てはまると考えている

「製品中心」の時代は
人を雇う側
つまり企業に主導権があったと言える
あくまで
被雇用者は企業に雇ってもらうことを目的にしており
企業は、欲しい人材を公募し
手頃な人材を手頃な値段で採用する時代である

「顧客志向」の段階では、従業員が中心になる
雇い先が充実してきた結果
被雇用者が企業を選ぶことができるようになる
そこで差別化するために
雇い主側が
給料のみならず
社会保険や福利厚生を充実させていくのだ
雇用者は、条件を見比べながら
働きたいと思う会社を選ぶのだ

「価値主導」の時代が来ると
被雇用者が働きたい会社を選ぶ時に
どのような考え方で企業を運営しているのか
企業理念、ポリシーなどを見た上で
働くことによってどのような影響が
社会に与えられるかを考えるようになる

そして、マーケティングと同じく
「自己実現中心」の時代では
働くことは企業の利益のためではなく
被雇用者の自己実現や促進のための場として
意味を持つことになる

このように
雇用関係も
進化を遂げてきたのである

どのように生きるのか
どんな生き方をしたいのか

考え方や生き方を武器に
仕事を見つけ、働く
そんな時代が来たともいえるだろう

人生を、キャリアをより愛すべきものにするために
働くことは
大変有用な手段の一つである

 

La Carrière -Mariko