バトラー、という職業

先日友人と訪れた
アダルトオンリーのホテルには
バトラーサービスがある

最近はバトラーという言葉が
一般化されつつあるが

要はコンシェルジュと言おうか
ホテル側が
滞在客をサポートしてくれるということだ

このホテルでは
一人のスタッフが
何役もこなしており

案内係、フロントデスク
給仕係などもこなしている
そしてそういう人たちが
バトラーと呼ばれ

顧客の多種多様な要望に
答えていくわけである

私と友人の滞在中に
一人のバトラーと
会う度に言葉を交わすようになった

きっかけは
部屋へ案内してくれたことだったが
その後もラウンジやバーなど
会う度に
一言二言、話すことが
重なっていく

彼はとても細やかな気遣いができる
好青年であった

日本にチップという習慣がないのが
少しだけ残念に思えた瞬間でもあった

心付けとして払う方もいるのかもしれないが
私は郷に入れば郷に従えで
日本ではお金ではなく
支配人への手紙という形で
彼への感謝の気持ちを
表すことにした

バトラーとは本当に
大変な仕事である

おそらく
無理難題を頼む客も
たくさんいるのであろう

滞在客を楽しませることを
誇りに思いながらも
時に不条理なことで
嫌味を言われたり
怒られたりするわけである

そしてそれでも
この土地、このホテルを
選んでもらおうと

様々な要望に応えていく

彼らが働く姿を見ながら
バトラーという仕事が
いかに多様な考え方と
大きな心が必要なのかということを
考えさせられた

細やかな心遣いのできた
素晴らしいバトラーの彼のおかげで
楽しく素晴らしい夜を
過ごせたことは
間違いない

そんな風に
誰かの心に残っていく仕事が
バトラーの醍醐味なのかもしれない

La Carrière -Mariko