二週間に一度の割合で
鍼に通っている
メキシコでは
鍼治療は合法化されていないため
私が通っているドクターは
手と耳に鍼を打ってくれる
ドクターは韓国人で
韓国鍼をメキシコで広めるために
こちらの医学部に招へいされたことがきっかけで
メキシコに移住して
開業鍼院を始めた人である
韓国訛りのスペイン語だが
とても人気があり
平日の夜はいつも
治療までに待たされることもあった
COVIDのせいで
人はまばらになり
待ち時間もなくなった
そんなドクターは
ちょっと変わった性格で
話し方もどこか不器用である
なんだか怒っているような
不機嫌そうな話し方である
回数を重ねるうちに
彼がどうしてメキシコへ
たどり着いたのかを聞き
近い将来
韓国へ帰るのだということも聞いた
先日
最後の治療になるかもしれないと
鍼を訪れた際
ドクターの奥様から
思わぬ贈り物を頂戴した
それは韓国伝統の模様の入った
エプロンであった
私はドクターの奥様に
会ったことなど
一度もない
ただドクターが
自宅で奥様に
私のことを話したらしい
そして日本へ帰る決意をしたことも
話したそうだ
彼女がここで妊娠できなかったのは
とても残念だわ
でもきっと
私たちは
世界のどこかで会えるから
そのようなメッセージを
奥様から預かった
予想しなかった展開に
私はただ
お礼を伝える事しかできなかった
気が付くと
私はいつも
こうして人に恵まれているなと
思わされる
人と人が直接交わるだけではなく
その方の奥様だとか
ご家族からも
いつもとても
大切にして頂いている
それはきっと
私が
一期一会を
本気で大切に思っているからだと、思う
誰一人
出会ったことに
意味のない人は、ない
私の中での
確固たるポリシーである
嫌味を言う人
とにかく怒鳴る人
嫉妬に燃え上がる人
そんな人たちも
出会って良かった人と
私は本当に、そう、思っている
それが良いか悪いかではなく
出会ったことで
どんな意味があるのか
後からでもいい
とにかく考えるようにしているのである
その結果
いつも人に恵まれるようになった
そして
素敵な出会いに恵まれるようになった
この奇跡は
感謝のリレーともリンクするかもしれないが
とにかく
出会った人たちを
ただ大切にし
その出会いに感謝をしてきた結果ではないかと
思うのである
私も
私と出会えてよかったと
言っていただけるような
人でありたい
La Carrière -Mariko