メキシコで鍼に通っているのだが
そこの鍼院が
アシスタントを募集している
最初に通い始めた頃には
明るく話好きな女性が
アシスタントを務めていた
その後
彼女はエネルギーの流れを変えたいと
旅に出るかのように
仕事を変えて
その鍼院を後にした
そのすぐあとに
優しい雰囲気の女性がやってきたのだが
彼女は病気になってしまい
辞めてしまったのだと
鍼師から聞かされた
そして
公募をかけること
三週間
まだ鍼師の彼は
アシスタントが見つかっていないのだと
言っていた
施術の間にも
面接の電話も鳴っていた
決して人気がないわけではないのだが
面接をして
エネルギーが合わない人だと
残念ながら
アシスタントが務まらないのだと
彼は言った
鍼は身体を治す仕事である
だから
施術する彼と
エネルギーが合わなければ
うまく
いかないのだと
説明をしてくれた
美学の世界だけではない
自分の身体の調子を整えるという
いわば
自己治癒力をどう扱うかの世界でも
大切にされているのが
人、一人ひとりが持つ
エネルギーである
エネルギーは
変化するものである
疲れている時
病気の時
元気な時
幸せな時
しかし
根本に流れているエネルギーが
最も大切なのだそうだ
物事をどのように受け止めるか
それはエネルギーが
大きく関係するのだという
ハイヒールで美しく歩くことを
心がけている時
それはそれは
強いエネルギーを
身体から発しているのではないかと
私は思う
なぜなら
レッスンのあと
全身に
心地よい疲労感が残るからだ
一方
鍼院には
いつもリラックスした
独特の時間が流れている
施術のあと
心地よい疲労感があるのは
ハイヒールと同じである
どちらも
手法は目的は違えど
人が持つ
エネルギーというものを
大切にしている点で
共通するものがある
やはり
エネルギーが合うことは
本当に意味があるのだ
私も自分のエネルギーを
さらなる高い次元まで
高めて行きたい
La Carrière -Mariko